イエベ秋の女

好きなこと

消火器が暴発した日、初めて宅配ピザを食べた

初めて宅配ピザを食べた日のことは、20年経っても覚えている。

真夏の日曜日。

快晴。

朝8時か9時だったと思う。

キッチンで、消火器が暴発した。

当時実家では、キッチンにやたらと縦に長いカラーボックスがあり、缶詰やラーメンのストックが入っていた。

その足元に、古い消火器があった。

父がそのカラーボックスから取ろうとしたのが、グリーンピースの缶詰だったことも、はっきり覚えている。

父の手からグリーンピースの缶が落ちた。

真下にあった、20年前の時点で20年ものだった消火器のハンドルに命中した。

うっすらピンクがかった粉を噴射する消火器。

大慌てでそれを持ったまま外に走る父。

うっすらピンクが積もったキッチンから玄関への廊下。

騒然とする我が家。

消火器って止まらないのね!!!

わー消火器の中身って粉なんだーピンクなんだーうわー吹いても取れないなにこれー。

いやまじなにこれ。

雑巾で拭いても拭いてもサラサラの粉がずっとある。

ほんとに、吹いてるのにまだあるの、粉が。

うっすらピンクの粉が。

家族総出で廊下と階段を拭き掃除して、汗だくになって、お昼のチャイムが鳴った。

もう疲れたし昼はピザでも取ろう…と言ったのは父だったのか母だったのか。

我が家は出前はもちろん外食も滅多にしない家庭で、

わたしにとって宅配ピザミュータント・タートルズに出てくる食べ物だった。

初めて食べたピザは、じゃがいもとコーンとチーズが乗ってるやつで、

タートルズが食べてるやつとは違ったけど、美味しかった。

その後実家でピザを取った記憶はない。